不動産売却で税金がかかる?譲渡取得税について

不動産売却時の譲渡取得税

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土地や建物などの不動産を売却すると、売れた金額に応じて手元に所得が入ります。これを「譲渡所得」と呼び、譲渡所得には所得税と住民税がそれぞれ課されます。

ここでは、譲渡所得税がかかる場合とその計算方法、譲渡所得税がゼロになるケースについて詳しく紹介します。

土地や建物の譲渡で得た所得には譲渡所得税がかかる

土地や建物の譲渡で得られた売却代金は、給与など他の所得とは分けて考えられ、課税されます(分離課税)。土地や建物のほか、株式やゴルフ会員権なども譲渡することで譲渡所得税が課せられるものです。

譲渡所得税の計算方法

税額の計算の前段階として、

・譲渡収入金額(取得費+譲渡費用)

によって「課税譲渡所得金額」を求めます。ここに、後述する長期・短期それぞれの税率を掛け合わせたものが、最終的な譲渡所得税額となります。

はじめの「譲渡収入金額」とは、土地・建物の譲渡代金や固定資産税・都市計画税の精算金のこと。ここから、土地建物の購入代金や取得に要した費用のほか、売却にかかった費用(譲渡費用)を合計したものを差し引いて計算します。

取得費については、譲渡収入金額×5%で計算した額を算出し、譲渡費用と合わせて差し引く方法もあります。

この税額を確定申告の際に申告するのですが、平成25年~平成49年までは所得税と一緒に「基準所得税額×2.1%=復興特別所得税」も納付しなければなりません。ここでいう基準所得税額とは、所得税額から差し引かれる金額を引いた後の金額のことを指します。

長期譲渡所得か短期譲渡所得かによって税率が異なる

不動産(土地や建物)の譲渡所得税は、「長期譲渡所得」と「短期譲渡所得」に分けられ、それぞれ税率が異なります。

長期譲渡所得と短期譲渡所得の違いは不動産の所有期間

土地や建物を売った年の11日時点で、不動産の所有期間が5年を超えていれば長期譲渡所得、5年未満なら短期譲渡所得に分けられます。

一例として、令和元年(平成31年)中に譲渡を行った場合は、その不動産の取得が平成251231日以前なら長期譲渡所得になり、平成2611日以後なら短期譲渡所得になります。

長期譲渡所得の場合、税額は課税長期譲渡所得金額×20.315%(居住用の建物で、課税譲渡所得が6,000万円以下の部分は14.21%)、短期譲渡所得は課税短期譲渡所得金額×39.63%で課税されます。この中には復興特別所得税として所得税の2.1%に当たる額が含まれています。

使用用途に応じた特例が存在する

上記の譲渡所得税について、譲渡益が出た場合は以下の3点について特例が存在します。

・(1) マイホームを譲渡した場合

3,000万円までの控除が可能

・(2) 10年超の所有軽減税率の特例

課税譲渡所得6,000万円以下なら税率が14.21%になる

・(3) 特定居住用財産の買い換え特例

所有期間10年超、譲渡代金≦買い換え代金の場合、譲渡益の課税が繰り延べられる

たとえば、上記(1)の場合、現在主として住んでいる自宅(マイホーム)を売却したとき、所有期間にかかわらず譲渡所得から3,000万円が控除され、さらに要件がマッチしていれば(2)の特例と併用することができます。ただし(3)と併用することはできません。

また、以下のケースについても特例が存在します。

(4)特定土地区画整理事業等のために土地を譲渡した

2,000万円までの控除が可能

(5)収容等により土地建物を譲渡した

5,000万円までの控除が可能

(6)特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した

1,500万円までの控除が可能

(7)平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡した

1,000万円までの控除が可能

(8)農地保有の合理化等のために農地等を譲渡した

800万円までの控除が可能

(7)以外の特別控除額は、長期・短期のどちらからも控除できます。(7)のみ、長期譲渡所得に限り控除が可能です。

また、譲渡損が出たときは以下の2点について特例が設けられています。いずれかが適用されれば、譲渡損が出ても他の所得との損益通算及び翌年以降への繰越が可能になり、マイナス分を打ち消せます。

  • 居住用財産の買い換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

控除を利用すれば節税効果が期待できる

不動産の売却によって得られた利益には税金が課されますが、上記で紹介した控除を利用すれば節税効果が期待できます。仮に、譲渡によって損失が出てしまっても、条件に合えば損益通算や繰越が可能になるので、損失をそのまま抱えずに済む場合もあります。

国税に関する疑問点は、国税局の電話相談センターや税務署などで相談を行っています。税理士など、税の専門家に直接質問することも可能です。

税率や計算について不明点がある、または控除に関して疑問などがあれば、相談窓口を利用することをおすすめします。

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